みなさんこんにちは。LemoのSatokoです。
突然ですが、いま周りを見渡してみて身の回りのもの、なにでできているものが多いでしょうか?
残念ながらプラスチックも多いでしょうし、家電なんかは金属もありますね。
あとはやっぱり紙ですよね。
本、雑誌、ノート、手帳、チラシ、封筒、公共料金の明細、新聞、資料、名刺、紙袋、、、
私たちの生活でプラスチックが増えて問題になっているとはいえ、
やっぱり消費が欠かせないのは紙資源ではないかと思います。
プラスチックを避ける動きが高まっている中
紙だから、紙なら使い捨ててもいい
といった風潮もすこし感じられるのではないでしょうか?
でももちろん紙も、地球からの恩恵であり大事な資源!
なんでも物を生産するのには製造過程での環境負荷がありますが、
紙の生産は森林の伐採からはじまり、
製造する過程でエネルギーを大量に使用することによるCO2の排出、漂白・洗浄するめの水の大量使用など、やっぱり環境負荷があるもの。
無駄な消費は避けたいですね。
また日本では計画的な森林伐採が進められており、違法で伐採されたりということはないようですが
全世界の森林伐採のうち15~30%は違法に伐採されているという調査も・・
ただ日本の自給率は36.6%ほどで、日本で消費される木材の多くは海外からの輸入。
日本に輸入される木材製品の12%、紙製品の7%は違法リスクが高いという報告もあります。(英国王立国際問題研究所の調査)
しかも日本は1億人ほどの人口にも関わらず、紙の使用量世界3位!
製材品の輸入量も世界4位など、世界的に見ても紙資源の消費大国なんです。
そんな日本に住むわたしたちにとって森林伐採は他人事ではなく
普段消費している紙製品の資源も、違法で伐採され森林破壊や生物多様性の崩壊につながっているかも。。
そこで今日は"サステナブルな紙資源"について考えていきたいと思います。
サステナブルな紙とは?
やっぱりFSC認証は定番
ご存知の方も多いと思いますが、FSC認証というものがあります。
FSC認証とは簡単に言うと"持続可能な森林資源を使用して作られた製品"であることを認証したもの。
森林の管理を認証するFM(Forest Management)認証と、
加工・流通過程の管理を認証するCoC(Chain of Custody)認証から成り立っていて
FM認証を得た森林から収穫された木材の
加工・流通過程を認証するのがCoC認証です。
FM認証(森林管理認証)には10の原則、70の基準、更に約200もの細かい指標があり、満たした場合認証を得られます。
加工・流通過程で他の認証を得ていない木材混ざらないよう、
FM認証材を扱う業者も細かい規格・ルールを満たしたCoC認証を取得している必要があります。
森林から製品になるまでの生産、加工、流通に関わるすべての組織が認証を受けなくてはなりません。
全工程でトレーサビリティ(製品の生産過程の追跡)が約束されているんですね。
つまりFSC認証を得た商品は
FM認証を得た森林管理された木材を
CoC認証を得た業者が加工・流通させたもの、です。
これは大変…!
そんなFSC認証マークを目印にすることで、
森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品をわたしたちは選ぶことができます。
意外と紙袋とかお菓子の箱・袋などいろんなところで見つけられます。
探してみるのも楽しいかもしれません。
(小さいころ小学校で回収していたベルマークをいろんな包装から探して切り抜くのが楽しかったのを思い出しました…!)
ただせっかく選ぶならFSCミックスではなく100%を選びたいところです。
再生紙はエコ?
紙製品や紙袋をよく見てみると再生紙という表示、結構よく見ますよね。
資源が循環しているから、なんだかエコな感じがします。
実際はどうなんでしょうか?
2007年に日本製紙が古紙100%再生紙の製造を廃止したのをきっかけに
当時「再生紙は環境に悪い」という考えが広まりました。
実際に紙を再度紙に再生するのには
古紙と水・薬品を混ぜる→ゴミを取り除く→薬剤でインクや塗料を取り除く、繊維を漂白→洗浄→脱水
といった過程があり、多くのエネルギーを必要とします。
これが新しくパルプを作るよりCO2排出が大きく、環境に悪いといわれる理由です。
ですが、再生紙は資源が紙のため、森林伐採によるCO2排出はありません。
なので具体的な数字を見たところ、再生紙の方が環境に悪いと短絡的にはいえなそうです。
実際に近年、日本はもう紙製品の原材料は半分以上が木材でなく古紙となっています。
ただ再生紙の問題は"白くてきれいな紙"にしようとすると
漂泊するのに大量の薬品とエネルギーが必要になるので、エコとはいえません。何度も漂泊する過程で廃棄も出ます。
ですので真っ白な再生紙が環境に良いかどうかはちょっと疑問です。
基本的に再生紙はなめらかな紙や、強度のある紙にするのは難しいそうです。
逆にトイレットペーパーのような再生できないもの(トイレに流してしまうからリサイクルできない)は、
真っ白である必要もなく、強度も必要ないですし、チリやインク粒が混ざっていても問題ないので再生紙が向いていそうです。
資源を循環させている、という点ではやはりエコといえるのではないでしょうか。
用途によって新しいパルプと古紙を使い分けることが必要ですね。
間伐紙
マークがかわいい(笑)
間伐紙というものもあります。名前の通り間伐材を原材料として活用した紙のこと。
森林の健全な育成に間伐は必要なものです。
木々が密集してしまうと日が当たりにくくなり成長しにくくなってしまうためです。また倒木や土砂崩れなどの防止でもある大切な作業です。
間伐をすることで大きくなった木は、CO2を多く吸収してくれるのでCO2削減にもつながります。
健全な森林に育てるため管理する過程で必要となる間伐で伐採された木材を使用した間伐紙は、森林保全するうえで欠かせない存在です。
非木材紙
これも最近かなり増えてきました!
非木材紙の原料は、竹やさとうきび、石灰石、バナナなどなど。
竹の繊維は紙だけでなく服にも使われたりもしていますね。
石灰石でつくられた紙といえば"ライメックス"
石灰石を主原料とした、日本で生まれた素材です。
石灰石は世界にほぼ無限にあり、木材を使用せず水もほぼ使用しないという新しいエコ素材。
プラスチックゴミ問題の解決策としても注目を浴びていますね。
また最近人気なのはバナナペーパーでしょうか。
バナナは一つの茎から一つしか実とれないので、今までは収穫したら古い茎を切っていたそうなのですが、
その捨てられていた茎を紙の原料として使用したのがバナナペーパー。
しかもバナナの木は、木の約10~30倍のスピードで成長するそうです。
竹もですが成長が早いというのは資源として活用していくうえでは重要なポイントです。
シリアルペーパー
シリアルペーパーというのもあります。
シリアルペーパーは食品加工時などにでる未利用の表皮や繊維を活用し、それをパルプに混ぜて紙にしたものです。
お茶やおから、とうもろこしの皮など、産業廃棄物の有効利用につながるエコペーパーです。
サステナブルな紙を選びたい、けど大事なのは
今回はサステナブルな紙資源をご紹介しました。
もし選択肢がいくつかあるのなら、ぜひ選んでいただきたい素材ばかりです。
ただやっぱり1番は"資源の使用を少なくする"、これが1番地球にやさしい選択ですよね。
すでにあるものを大事にして、新しく消費するときはサステナブルな素材を選ぶ。
ぜひ意識してみてくださいね^^
最後まで読んでいただきありがとうございます。
みなさんのサステナブルな暮らしの参考になりましたら嬉しいです!
Satoko