こんにちは。LemoのSatokoです。
ちょっとショッキングな題名ですね。
でも事実なのです。
実はサンゴの白化、死滅が今急速に進んでいて、このままいくと
あと30年で絶滅する可能性もあるといわれています。
映画「チェイシング・コーラル」で今の深刻なサンゴの現状を知ることができます。
YouTubeでも日本語字幕をつけて観られます!
サンゴが絶滅するとどうなる?
絶滅した、しそうな生物はたくさんいるし、サンゴが死ぬのが問題なの?
と思うかもしれません。
サンゴが死ぬということは海が死ぬことに等しいといっても過言ではないんです。
チェイシングコーラルによると、フロリダのサンゴは8~9割がすでに死滅。
ハワイでもすでに25~50%すでに死んでいて、
世界遺産にもなっているグレートバリアリーフでも異常気象であった2016年の1年で29%が死滅してしまったそう。
グレートバリアリーフのサンゴ礁の白化、死滅は本当に大きな問題となっていて
2016年には90%ほどが白化の影響を受けてしまい、1995年と比べサンゴ礁の規模、種類が半減していると調査結果が発表されました。
サンゴ礁がこのまま減少していくと、海に大きな影響があります。
というのも海の1%にも満たないサンゴを、海の生物の1/4ほどが住処としています。
そういった生き物が生きられなくなるということは、それらを餌とする魚たちも生きれなくなります。
結果不毛の海となり、もちろん魚を食べるなんてできなくなります。
サンゴが死ぬ=海が死ぬことなのです。
どうしてそんな状況に?
サンゴが危機的状況の原因はやはり気候変動。
温暖化による海水温の上昇によって被害が拡大しています。
水温が1,2度上がるとかなり白化が進むそうですが、
現在地球の気温は産業革命時からすでに1度以上上昇しています。
気温上昇が1.5度になると世界のサンゴ礁の90%が死滅すると国連は警鐘を鳴らしています。
気候変動によって台風が巨大化しているのも要因です。
気候変動により巨大化した台風の被害は陸地でも深刻ですが、海の中ではサンゴ礁が根本から折れて破壊されてしまうのです。
人為的な要因としては、プラスチックゴミ。
マイクロプラスチックのお話を以前しましたが、魚だけでなくサンゴもマイクロプラスチックを誤飲している生き物。
プラスチックを摂取しても消化されず栄養失調になり、
褐虫藻との共生関係に悪影響が出て、生きていけなくなります。(サンゴの生態系についてはぜひ映画をご覧ください!)
吐き出されたとしてもマイクロプラスチックの細菌もサンゴに悪影響があるそう。
マイクロプラスチックの海の生態系への影響は本当に悲惨です。
そしてもう1つ私たちがサンゴを死に至らしめているのが「日焼け止め」です。
知らなかった!という方も多いと思います。
実は一般的な日焼け止めに含まれている”紫外線吸収剤”がサンゴに大きな悪影響を与えているのです。
紫外線吸収剤とはオキシベンゾン、オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)といった化学成分。
これらがサンゴの生長、繁殖に被害を与え、結果として白化、死滅に至らしめています。
実際にハワイやパラオでは一足先にこういった紫外線吸収剤が含まれる日焼け止めの販売が禁止されました!
パラオでは紫外線吸収剤だけでなくパラベンといった防腐剤も禁止対象に。
それだけサンゴへの被害が深刻ということです。
ですが、いまだ日本では市販の紫外線吸収剤が使われた日焼け止めを塗ってダイビングやサーフィンといったマリンスポーツをされている方が多いのが現状かと思います。
日常的に普段海に入らない観光客が普段使用している日焼け止めを塗って美しいサンゴ礁を楽しむために海に入る、といったことも珍しくないはず。
たまに海に入るだけだから影響ないでしょ!と思われるかもしれませんが
紫外線吸収剤(特にオキシベンゾン)は、競技用プール6個半分の水に1滴入れただけでサンゴの生態系に影響があると研究結果が出ています。
衝撃的な影響力です。
そこで最近はサンゴに有害な紫外線吸収剤ではなく酸化チタンや酸化亜鉛といった”紫外線散乱剤”を使用した日焼け止めが推奨されています。
そういったサンゴに安全な日焼け止めを「リーフセーフ(reef safe)」といい、最近耳にする機会も増えてきているのではないでしょうか。
紫外線散乱剤もナノ粒子を使用するものもありますが、
ナノ粒子は海洋生物に危険をもたらす可能性があるという研究結果もあるので、海にとってもノンナノを選ぶことが大切です。
みんなで守っていくことが急務であるサンゴの現状。
私たちにできることは、この現状を多くの人に広めて知ってもらうこと。
プラスチックゴミを減らすこと。
サンゴにやさしい日焼け止めを使うこと。
サンゴ保全活動への寄付ももちろん私たちができることの1つです。
できることからサンゴを、海を、地球を守る選択をしていきましょう!
Satoko